そのはじまりは、遠く異国の地にあるといわれています。イスラム圏で親しまれてきた羊肉料理の趣を、日本の繊細な味わいへと映し替えたことが、その原点のひとつとされています。
やがて中国料理の火鍋子(ホーコーツ)のかたちを取り入れ、丸い鍋を囲んで肉をさっと湯にくぐらせる、日本ならではの食べ方が生まれました。
煮込むのではなく、ほんのひととき湯に遊ばせる――その所作には、素材を尊ぶ日本料理の美意識が息づいています。
海を越えて伝わった食文化は、日本の風土の中で磨かれ、やがて独自の鍋料理として花開きました。
いまではすき焼きとともに、日本を代表する牛肉鍋料理として、多くの人に親しまれています。
雌牛は雄牛に比べ筋肉がやわらかく、脂肪も豊富。そのため、融点と言われる脂肪が溶ける温度帯が22度程度と低いのが特徴。
特に出産前の処女牛は肉質が非常に柔らかく、口の中でとろける食感を存分に味わえます。
しゃぶしゃぶに適した牛肉は、適度に脂がある部位がおすすめです。

